interview 2011

(以下、2010年12月のインタビューです)

さあちょっと遅かった気もするけど、いよいよIron Lungが来日です。
ドラム/ボーカルのJensenにメールでインタビューしました。

Iron Lungは何年やっていますか?
1999年の暮れからやってるね。メンバーは不動で、僕JensenとJonの二人だよ。
そういやIron Lungの最初のライブは、日本のYellow Machinegunが対バンだったよ。激しいレディーたちだったよ(笑)。

メンバーはずっと二人だけど、その意図は? たまにボーカルがいたりもしますよね?
そうだね、ずっとメンバーの核は二人でやっていこうって考えて今までやってきたよ。何より二人だといろいろやりやすし、それ以上だと単にスピードダウンしそうだしね。Jonとは本当にウマが合うし、メンバーは僕とJon以外には必要ないね。

二人だとツアーもしやすいですよね。
そうそう。楽だよー。飛行機のチケットは4枚5枚って手配する必要ないし、車の中は広いしね。2人は最高だよ。

まあでもたまにはサウンドに変化をつけようと思って、他のアーティストとコラボレートすることもあるよ。僕らを見る人には常に新鮮に見てもらいたいし、同じことの繰り返しでつまらないバンドだと思われても仕方ないからね。ちょうどこの前シアトルのWallsのメンバーのNick Turnerと、Running for CoverのDavid Bailey、それにNo CommentのAndy Beattieとのコラボを録り終わったよ。Dead Languageっていうバンド名なんだけど、今年リリースされる予定だから楽しみだよ。

普段地元ではどんなバンドと対バンしますか?
基本的にハードコアバンドとの対バンが多いけど、どんな感じのバンドでも一緒にやるよ。ノイズやメタル、ニューウェーヴ、パンク、スラッジやヘヴィーなバンド、それにゴシックっぽいのとかノイズロックみたいなの、もちろんスラッシーなハードコアも好きだしね。まあかっこいいバンドだったらやるし、かっこよくなかったらやらないだけだよね。

地元のおすすめバンドは?
White Wards、Cross and Bone Sicknessと、あとSelf Comが今一番おすすめかな。 White WardsはDeep WoundとかMecht Menschみたいなファストでノイジーなハードコアバンドだよ。 Cross and Bone Sicknessはスラッシーなデスメタルだね。 Self Comはコールドなニューウェーヴパンクなんだけど、これはほんとに好みだね。

Iron Lung以外は他にバンドやってますか?
僕とJon二人ともやってるのがさっき言ったDead Languageと、あとHomeless Cadaverってのもやってるよ。JonはPig Heart Transplantでも弾いてるね。僕はWallsとSociety Nurseってバンドでも叩いてるよ。

Iron Lungだけではなくて、他にいくつかバンドをやるのはどうしてですか? 掛け持ちを嫌がる人もいますが・・・。
それはやりたいサウンドが幾つかあるからだね。個人的には一つのバンドにたくさんの種類のサウンドを詰め込むのは、あんまり効果がないと思うんだよ。もちろんたくさんのバンドをやるってことは万人向けじゃないけど。ただ一つのバンドに限定するには、アイデアがたくさんありすぎるんだよ(笑)。

今まで結構たくさんのツアーをしてますが、面白かった出来事は?
以前ニューヨークにいた時の話なんだけど、めっちゃ雨が降ってて、車を停めて雨が止むのを待ってたんだ。一緒に乗ってた友達のLaurenがちょっと外を見たいからって窓を開けたらそのまま壊れちゃってね!窓が閉まらなくなったんだよ。おかげで車内はベタベタでみんな濡れちゃって、見事にみんな風邪を引いたよ。で車が直るのに3日もかかって、その間ずっと濡れっぱなし。マジで悲惨だったね。まあおかげで僕らは強くなったけどね(笑)。

ツアーに車のトラブルってのは付き物ですよね。
今回はないといいなあ。自然だって俺たちの恩恵を受けてるのにひどい仕打ちだよね、なんちゃって。

Iron Lungのコンセプトは医学的なものが多いですが、何かアイデアや影響みたいなものはありますか?
僕たちは時代遅れの医療器具や医療技術に興味があるんだ。だから「Iron Lung」って名前なんだよ。今までに「Iron Lung(鉄の肺)」を見たことある? マジでおぞましい器具だよ。空気の陰圧と平圧を利用して、胸郭を膨張させたり収縮させたりして呼吸させる人工呼吸器なんだ。例えると相撲の関取が胸の上に座って、吸ったり吐いたりをさせてるみたいなんだよね。凄い機械だよ。1950年代まではこれが最先端の機械だったんだから凄い話だね。長寿のためにこんなのに耐えるってのはほんとに苦しいことだよね。

でもそういった医療機器によって救われることもありますよね。そのような医学の進化についてはどう思いますか?
医学の進化ってのは間違いなく強烈だよね。でも昔のはやっぱり比べものにならないくらい残酷だよ。
そもそも人生ってのはそんなに尊いものなのかも疑問だよね。

音楽的な影響は?
もっとも大きなのは以下のバンドだね。
Swans、Crossed Out、No Comment、Corrupted、Discordance Axis、Infest、MITB、初期のインダストリアルミュージック、 80年代のニューウェーヴ、フラワートラヴェリンバンド、Godflesh、Dazzling Killmen, パワーエレクトロニクスなんかもそうだし、 あとはやっぱりBlack Sabbathだね。

Iron Lung Recordsというレーベルもやっていますよね? これについて教えて下さい。
何年か前に、自分たちのバンドとか友達のバンド、好きなバンドの音源をリリースできるといいなと話していて始めたレーベルなんだ。 元々は、Lords of Lightっていうバンドがレコーディングしたけど音源に入らなかった曲を持て余していて(それがまたキャッチーないい曲でね!)、どうにかできないかなと思ったんだよ。で彼らにB面の曲をレコーディングしてシングル盤を出さないかって誘ったんだ。ただ自分たちの楽しみのためだけだよね。まああんまり話題にもならなかったし、レビューとかも書かれなかったんだけど(笑)。でもまあ素敵な人たちのリリースができてラッキーだよ。今のところ15作品くらいリリースしてて、Nerveskade、Society Nurse、Walls、Iron Lung (もちろんね!)、No Statik、Slices、Eddy Current Suppression Ring、Total Controlなんかの作品を出してるよ。 もし興味があったら、http://lifeironlungdeath.blogspot.com をチェックしてね。

Jensenは何年か前にArtimus Pyleで日本に来たことがありますが、そのときの印象は?
あのツアーは最高だったね。トミオさん(CROW)本当にありがとう! どのライブも想像以上に最高だったし、Too Circle Recordsのシンゴが、伝説のスタジオOur Houseでレコーディングできるようにセッティングしてくれたんだ。僕の大好きなたくさんのレコードが録音された伝説のスタジオだから、夢が叶ったようだったよ。
そのツアー以来、今度はIron Lungで日本にもう一度行きたいと熱望してたから、もう待ちきれないね。いつも友人たちに、日本のバンドがいかに素晴らしいライブをするかとか、ライブ後のアフターショーパーティー(打ち上げ)でみんな泥酔してるかとかを話してるよ。アメリカじゃそういうのないからね、やったらいいのに。

今回もエンドレスな打ち上げが4回はあると思いますが(笑)
覚悟しとくよ!

ちょっと関係ない話を。
仕事は何をやってますか?

僕は映画とかに関わる仕事をやってるし、Jonはアーティストだね。

それじゃ分かりにくいので、もう少し詳しく教えてくれます?
あら、やっぱりこれじゃ許してくれないのか(笑)。
僕はアメリカで一番大きな、ビデオとかのレンタル会社で働いてるんだ。映画の本とかも出版してて、最近だと「Destroy All Movies」っていう、映画の中におけるパンク描写についての本が出たね。日本の「爆裂都市」についても言及があるよ。
Jonは最近は主にペンとインクで絵を描いてるね。こっちで個展をやったりしてるよ。ここ最近だと「Feeding」っていうのとコラボしたりして、バンドや友達とかに絵を提供してるよ。最近の音源で「Public Humiliation」ってのがあるんだけど、あのジャケとかそうだね。かなりヤバいよ!

最近のアメリカの政治経済について聞いていいですか? オバマ大統領は何かをチェンジした?
ぶっちゃけ政治とかオバマとかあんまり興味ないんだよなあ。まあ彼はいい奴っぽいけどね。遊ぼうって何回も電話してるんだけど、絶対かけ直してこないんだよ彼は<※インタビュワー注 絵に描いたようなアメリカンジョークです>。

じゃあ日本来たら、日本の総理大臣にも電話してみてくれます? 菅直人っていうんだけど、まあそれはしょうもない人で・・・。
いいよいいよ。日本の中心で「菅!」って叫んでやるよ! でもどうせオバマとゴルフに行ってるんじゃないの?<またまたご冗談を・・・。>

最近読んだ本や観た映画でよかったのは?
最近だとフィリップ・K・ディックの「高い城の男」がよかったね。映画は「暴力脱獄」が大好きだね。
Jonはタッチ&ゴーのアンソロジーを読んでるんじゃないかな。彼の好きな映画は「シーバーズ」か「ビデオドローム」だよ。

あら、Jonはクローネンバーグ好きですか。じゃあJ.G.バラードの「クラッシュ」なんかも好きでしょうね? 小説も映画もいいですよね?
J.G.バラードは二人とも大好きだよ。ちょうど「Kingdom Come」を読み終えたんだけど、よかったよ。 そうそう、「クラッシュ」はJonの好きな映画トップ10に入ってるよ!

最後に日本のパンクス、グラインダーズ、メタルヘッズに一言お願いします。
会場で会おう! サトシありがとね。 あと梶芽衣子に会いたいよ、連絡してー! <あんたはタランティーノか?!>

(2010年12月 メールにて)

2011年2月末発行のToo Circle Articlesに同内容が掲載されています!
前田君、ありがとうございます!

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